ただ、この感情がなんなのか 今の俺にはまだ理解らなかった。 と、【付き合う】ようになってもう五日が経った。以前の俺たちと変わった事といえば、毎日一緒に登下校するようになったことと、以前の何倍も、話をするようになったこと。 前から仲が良かったとは言っても、何か用事が有るとか、席が隣になったとき とかそんな時にしか話をした事が無かったのが事実だ。 けど今は恋人のフリをする為に、無意味に2人で居る事もあったし、何と無く気になって視線を遣ると目が合うようになったりした。 正直、何も変わらないだろう と思っていた俺は、戸惑いもあったし、何だか────、 「一馬。何か今日そわそわしてない?」 と付き合ってから、初めてのU-15練習日。英士に痛い所をつかれる。言われて、そうか何かいつもと違うな と思ったのはそれか と自分で変なことを思う。 「…え?」 「そうそう、なんつーかこう…ぎこち無いっての?」 今更何に緊張してんだよ! とからかうように結人に言われた。そう言われて、俺は動悸が激しくなるのがわかって、その理由もわかって。 「そっ…そんな事ねぇよ!!」 大きい声を出して否定した俺に、ムキになる所が益々怪しい… と、英士と結人に冷やかな目で見られた。俺はそのまま、平静に…、平静に… と思いつつ、目は練習場の周りをキョロキョロと動き回る。そして、 ────居た。 俺に気付がついて、目が合う。そして嬉しそうにひらひら手を振って来た。カァ と顔が熱くなるのが自分でも判った。つい、恥ずかしさのあまりパッと、目を逸らしてしまう。 ────ああもう、何やってんだ俺…っ! そう思った時、ふいに背中にドシ と重みを感じた。そして同時に、結人の嬉々とした 声。 「おい一馬、誰!あのコ!!」 「うっ…うっせーな!どけよ結人!!」 「可愛いコだね。…一馬の彼女?」 「うぇ!?」 つい、変な声が出た。 真っ赤な顔をした俺に、英士と結人が、何故か俺の頭をナデナデしたくなった というのを後になって知った。 * 「お疲れ、一馬!!」 練習終了後、が満面の笑みで俺に駆け寄ってくる。嬉しいと思うけど やっぱり恥かしさの方が上になってしまって、 「お…おう…」 「すっごい…かっこよかったぁ〜〜!」 言われて、さんきゅ と俺は消え入りそうな声で返す。 「一馬、小さい頃からサッカー上手かったもんね!」 あたしびっくりしちゃった! と、は本当に嬉しそうに言ってくれた。 「ね、ね、キミ一馬の彼女!?」 「っな、結人!」 「可愛いよね、一馬のクセに生意気」 「英士!!」 後ろから結人と英士に横やりを入れらた。の方を見ると、きょとんとした表情をしていて、そして俺に言った。 「言ってないの?」 「…言ってない」 「なになに、なんだよ何の話!?」 それが意味深な感じに見えたんだろうか、俺との会話に 結人が急いた感じで突っ込んで来た。 * 「三ヶ月ぅ!?」 「また…奇怪な事考えるね」 事の成り行きを2人に話す。そりゃ驚くのも無理ねぇよな、俺だってまだ何となく実感ねぇしと 思って、ああやっぱこれって相当変なことだよな と改めて思ったりもして。 「…へへ、暫く一馬の彼女やらせてもらうんで、よろしくっ」 恥かしそうに、でも嬉しそうに、英士と結人に無邪気に笑顔を向ける、。ぐっと何かが上がって来る感じがして、同時になにか変な感じが して。動悸が激しくなる。 「…?」 「どうしたの、一馬?」 様子の変化に気付いたのか、が俺に声をかけて来た。 「え、あ…いや…何でもね…」 「…うん?」 それから俺達は、結人と英士と別れて、送りがてらの家までの道のりを、デートにした。 楽しかった、見に来てくれて嬉しかった と、言いそびれてしまったことに後悔して。そして、そう思った自分が何だかこそばゆく感じた。 別に以前と変わりない。登下校一緒にして、ただよく話すようになって、ただよく目が合うようになった。ただ、それだけのことだ。 周りに【恋人同士】だと。思い込ませる為だけの【フリ】 まだ暫く、互いに気持ちの変化に気付くことなく、そしてやっぱり同時に、これから起こることなんてこれっぽっちも思って無かったんだ。 まだ 生まれる前の、見えぬ 変化。 ←BACK NEXT→ やっと、でもまだ3話目。一馬視点…な一馬サイド。内容が薄すぎて、なんてゆーかもう、この話要らなかったんじゃないの…;短いし、ね; がんばります。 20050824(???) 秋夢うい |