ただ、この感情がなんなのか 今の俺にはまだ理解らなかった。










と、【付き合う】ようになってもう五日が経った。以前の俺たちと変わった事といえば、毎日一緒に登下校するようになったことと、以前の何倍も、話をするようになったこと。

前から仲が良かったとは言っても、何か用事が有るとか、席が隣になったとき とかそんな時にしか話をした事が無かったのが事実だ。
けど今は恋人のフリをする為に、無意味に2人で居る事もあったし、何と無く気になって視線を遣ると目が合うようになったりした。

正直、何も変わらないだろう と思っていた俺は、戸惑いもあったし、何だか────、


「一馬。何か今日そわそわしてない?」

と付き合ってから、初めてのU-15練習日。英士に痛い所をつかれる。言われて、そうか何かいつもと違うな と思ったのはそれか と自分で変なことを思う。


「…え?」
「そうそう、なんつーかこう…ぎこち無いっての?」

今更何に緊張してんだよ! とからかうように結人に言われた。そう言われて、俺は動悸が激しくなるのがわかって、その理由もわかって。

「そっ…そんな事ねぇよ!!」

大きい声を出して否定した俺に、ムキになる所が益々怪しい… と、英士と結人に冷やかな目で見られた。俺はそのまま、平静に…、平静に… と思いつつ、目は練習場の周りをキョロキョロと動き回る。そして、


────居た。


俺に気付がついて、目が合う。そして嬉しそうにひらひら手を振って来た。カァ と顔が熱くなるのが自分でも判った。つい、恥ずかしさのあまりパッと、目を逸らしてしまう。


────ああもう、何やってんだ俺…っ!


そう思った時、ふいに背中にドシ と重みを感じた。そして同時に、結人の嬉々とした 声。


「おい一馬、誰!あのコ!!」
「うっ…うっせーな!どけよ結人!!」
「可愛いコだね。…一馬の彼女?」

「うぇ!?」

つい、変な声が出た。
真っ赤な顔をした俺に、英士と結人が、何故か俺の頭をナデナデしたくなった というのを後になって知った。





「お疲れ、一馬!!」

練習終了後、が満面の笑みで俺に駆け寄ってくる。嬉しいと思うけど やっぱり恥かしさの方が上になってしまって、

「お…おう…」
「すっごい…かっこよかったぁ〜〜!」

言われて、さんきゅ と俺は消え入りそうな声で返す。

「一馬、小さい頃からサッカー上手かったもんね!」

あたしびっくりしちゃった! と、は本当に嬉しそうに言ってくれた。


「ね、ね、キミ一馬の彼女!?」
「っな、結人!」

「可愛いよね、一馬のクセに生意気」
「英士!!」

後ろから結人と英士に横やりを入れらた。の方を見ると、きょとんとした表情をしていて、そして俺に言った。


「言ってないの?」
「…言ってない」

「なになに、なんだよ何の話!?」

それが意味深な感じに見えたんだろうか、俺との会話に 結人が急いた感じで突っ込んで来た。





「三ヶ月ぅ!?」
「また…奇怪な事考えるね」

事の成り行きを2人に話す。そりゃ驚くのも無理ねぇよな、俺だってまだ何となく実感ねぇしと 思って、ああやっぱこれって相当変なことだよな と改めて思ったりもして。

「…へへ、暫く一馬の彼女やらせてもらうんで、よろしくっ」

恥かしそうに、でも嬉しそうに、英士と結人に無邪気に笑顔を向ける、。ぐっと何かが上がって来る感じがして、同時になにか変な感じが して。動悸が激しくなる。

「…?」


「どうしたの、一馬?」

様子の変化に気付いたのか、が俺に声をかけて来た。

「え、あ…いや…何でもね…」
「…うん?」


それから俺達は、結人と英士と別れて、送りがてらの家までの道のりを、デートにした。
楽しかった、見に来てくれて嬉しかった と、言いそびれてしまったことに後悔して。そして、そう思った自分が何だかこそばゆく感じた。


別に以前と変わりない。登下校一緒にして、ただよく話すようになって、ただよく目が合うようになった。ただ、それだけのことだ。

周りに【恋人同士】だと。思い込ませる為だけの【フリ】


まだ暫く、互いに気持ちの変化に気付くことなく、そしてやっぱり同時に、これから起こることなんてこれっぽっちも思って無かったんだ。


まだ 生まれる前の、見えぬ 変化。


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やっと、でもまだ3話目。一馬視点…な一馬サイド。内容が薄すぎて、なんてゆーかもう、この話要らなかったんじゃないの…;短いし、ね; がんばります。

20050824(???)   秋夢うい