あたしたちの想いとは裏腹に、その日はもう 目前にまで迫っていた。









  


【     受信メール     】  
FROM : 一馬
RE:RE:RE:RE:RE:☆お帰り☆
08/03 21:13 

明後日から1週間合宿行ってくる。
その間連絡取れないと思うから、帰って来たらまた連絡するよ。
────────────────── 
  
【  受信メール  Lv:1 295 】 D 08/03 21:33
F 
S あいさ了解☆
  090××××××××

うん、わかった!
ケガしないで帰ってきてね☆
一生懸命練習に励むように!
 
ガンバレ一馬!!




送信ボタンを押して、ぱた と携帯電話を閉じた。ぎゅ、と目を閉じたら思い出した。この2ヶ月半の間に、色んな事があった。
たくさん笑って、…たくさん泣いた。
ねえ、こんなにも一馬の事を好きになるなんて、思わなかった。好きで、好きで、好き過ぎて。

こんなにも胸が締めつけられる、想いが 重い。

もう一度、一馬からのメールを開いて見た。合宿だって一馬。1週間も。
一馬が戻ってきたら来たら11日。あたし達の最期の日は…20日。

「もう…ホントに最後だ…」





ベッドに寝転がって、携帯電話を胸の上で握り締めた。最期のその時まで、あと2週間とちょっと。その半分は明後日から始まる、トレセンで潰れる。
の事が好きで、好きで。なんかすげー泣きそうになって目を瞑ると、嬉しそうに笑ってる が浮かんだ。
こんなに人を好きになることなんて、俺には無いと思ってた。

確かに、確実に。その期限はやって来て、俺達は離れていく。最期の最後に俺 は。

────あいつに、何を してやれる?


…」





「ねぇ、どうして?どうしてもこのまま離れなきゃ駄目?」

一馬が合宿に出発して、もう4日目。心配した優希が、家に来てくれていた。もう最期の日が迫ってきてる事、あのお祭りの日、言われた一馬の言葉を。
あたしの想いを、優希に言って1番初めに言われた台詞がこれだった。


「全部…、あたしがまいた種なんだよ優希」

全ては偶然。あたしがあの日、告白されてなければ。あの日一馬が、告白されてなければ。彼が勘違いして、言いふらさなければ。
あの日、あの時、あのタイミングじゃなきゃ、今こんな事にはなってない。


「あたしがあんな事言わなきゃ…」

そう、あたしがあんないいかげんな事言わなきゃ。


「…あたし、他に好きな人、居るから、だから…」
「っ誰!?」


あたしが、あんな事 言わなきゃ。


「ね、3ヶ月だけ付き合ってるフリ、しよっか?」


「言わなきゃ一馬を傷つけること、なかったのに…」

一馬をあんなに追い詰めること、無かったのに。自分自身の傷を癒すために、ついた嘘。一馬を利用して、巻き込んだ 嘘。


「ねぇ…っ」
「…わかってた。優希が昔のあたしの事 心配して、…責任感じてた事も」

優希が、先輩の『目的の女』だった って事も。

「あいつの友達がすーげぇかわいい子なんだよね」
「お前目的ってそっちかよ」


「誰よりもあたしの事必要としてくれて、あたしの事考えてくれてたのも…優希だって、」


────全部、わかってるから。


「ねぇ。優希は何も悪くないでしょ?あの事は先輩とあたしの問題で、優希が責任感じる事、無い」

優希はそれに応える事なく、先輩の一方通行で終った出来事。


「優希はもう、英士くんの事だけ考えて、いいんだよ」
…」

「何となくね。あたしと一馬の事で遠慮してるんじゃないかな って」

優希があたしの事必要として、あたしの幸せを願ってくれているように、あたしも優希のこと必要としているし、幸せになって欲しいと願ってる。

「世界でたった一人の親友だからね」

あたしが笑ってそう言うと、優希も綺麗な顔を歪ませて笑った。


「…にだって、真田くんと幸せになる、権利があるのよ?」

────あたし が、一馬と?


「…無いよ」
「あるの」
「…無い」

「ある」


「どうすればいいの…」

涙が止まらない。優しく話を聞いてくれて、一緒に泣いてくれる優希がいるから。余計に涙が止まらなくなる。
声を上げて、一馬を想って 泣いても。どうしようもない。

全部あたしの所為なのに。
自分の気持ちも、一馬の優しさも素直に受け入れることが出来なくて、自分から距離を作っておいて。拒絶した。過去と一馬のあたたかい優しさを。

そんなあたしが今更、一馬に受け入れてもらおうなんて。
どうすればいいのどうすればいいの。

責められるかもしれない拒絶されるかもしれない。一馬は、錯覚してるだけかも知れない。あたしと同じ気持ちとは限らない。
あたたかいのもやさしいのも、この関係上の義務的な感情かも知れない。

契約が終ってしまえば、案外あっさりとしてしまうかもしれない。
それなのに言う、そんな勇気。


────あたしにあるわけ無いじゃない。


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一話の長さがまちまち。さあ、勢いだけで書くのだ!

2007026(20041117)   秋夢うい