逃げる なんて卑怯な事はしたくない。全部受けとめたいから、受け止めて欲しいから。
けど、それを一番恐れてんのは、俺 なんだ。










「何考えてんの」


英士に言われた。得に調子が悪いわけでもないし、むしろ練習に集中すればその瞬間だけは現実を忘れられてそれが俺には幸いだった。だからこの合宿で俺は周りからすれば、すごく熱が入ってるように見えたと思う。

合宿ももう、6日目。明日の昼にはここを発つ。との最期はもう すぐそこだ。


「一馬」

答えを促すように、静かに俺の名前を呼ぶ 英士。けれど確かに、その中に怒りが読み取れた。


「なんだよ」
「どうすんの。この間結人が言ってた時は口出さなかったけど、お前はこのままで終らせるつもり?」

「…、しょうがないだろ」
「しょうがない?何もしてないでしょ。さんの昔の事とか、気にして一人でカッコでもつけてるつもり?」

「…んで、英士が…」

驚いて英士を見ると、いつもと変わらない表情だったけど、だけどやっぱり怒りは読み取れる。英士にはもちろん、誰にもあの祭りの日の事は話していない。
俺の考えてる事が判ったのか、英士はため息を付いた。


「わからない?」
「…松岡、か」

「彼女にさんの昔の話、聞いてるから俺が一馬に、話してやる事も出来るけど?」
「余計な事すんな。が自分から言ってこない限り俺は聞くつもり無い」

「…何カッコつけてんの」

英士のイライラが増したような気がした。


「そんなんじゃねぇよ」
「怒ってんのは俺だけじゃ、ないんだけど」

「判ってるよ、んなこと」

結人だって同じように思ってるに違いない。それはこの間の結人の顔をみて良く判ってる。だからって何だよ。
判ってんだよそんな事。


「…俺にどうしろっつんだよ!」
「一馬」

「ああ好きだよ!の事は!けどを傷つける位なら俺は!俺は…っ」

何だってやるって決めた。最後まで笑ってて欲しい。たくさんの笑顔を。


さんの事を受け止める自信、無いだけなんじゃないの」

英士の言葉にカッ となって頭に血が上るのが自分でも判る。

「っそーだよ!!怖ぇんだよ!俺が踏み込む事でを追い詰めるんじゃないかとか、傷つけるんじゃないかとか、」
「……、」

「俺、が…俺自身が、傷つくのが怖ぇんだよ」


────のことが、欲しい。


泣かせたくない、傷つけたくない、追い詰めたくない。けど、俺 が。

俺自身傷つくのが、一番 怖い。どうすればいいどうすればいい。
真っ向からを受け止める自信が、俺には無い。

情けない。情けない、情けない。それなのに、


どうしてこんなに、のことが好きなんだろう。


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短いなぁ。次も短いなぁ。

20070326(20041118初版)   秋夢うい